今回、当社は『独自に改良した方法』で、高圧洗浄を実施しました。私たちはそれを、『機動力洗浄』(機動力を存分に発揮した洗浄方法)と呼んでいます。
現場は、住宅が立ち並ぶエリア。大型洗浄機の設置場所を設ける余裕はありません。通常は、この時点で高圧洗浄作業を断念せざるを得ないでしょう。しかし、小スペースでも機器を使用できる『改良型高圧洗浄機』であれば、設置及び使用が可能となります。
具体的には、これまでの大型洗浄機を2つの機器に分けます。
① 専用ツールを装着した小型のガソリン式高圧洗浄機(洗浄ユニット)
② 小型バキューム機器(汚水回収ユニット)
この2つをジョイントすることで、大型タイプの洗浄機では難しかった『小回りの利いた作業』を実現させたのです。
イメージ上では簡単な理屈なのですが、実現にはいくつかの問題がありました。
① 小型バキュームの『排水タンク』の容量問題
洗浄汚水は、その場に垂れ流すことなく、清掃作業が持ち帰ることが基本です。排水タンクの容量が小さい場合、すぐにタンクがいっぱいになってしまうため、狭い範囲でしか洗浄ができません。そこで、洗浄機とバキューム機器の間に『バッファ』(余力)を持たせるために、『ドラム缶』を設ける工夫を施し、排水の持久力(保管能力)を向上させました。
② 操作の複雑化とチームワークの必要性
小型化した改良版は、オールインワンの大型機器とは異なり、いくつかのパーツに分かれた機器を接続して操作します。これにより操作が複雑化するので、作業が煩雑になり、かえって効率が悪くなる可能性があります。これまでの『熟練の技』に加え、それぞれの機器に対して、個々に注意しながら作業することや、複数のスタッフが全体を見渡しながら作業を進める『チームワーク』も必須となります。
③ 機動力洗浄の訓練
上記作業を、迅速かつ安全に実施するためには、事前に『機動力向上』を掲げた訓練が必要でした。また、洗浄技術や機材の『改善・改良』を目的としたスタッフ同士のコミュニケーションも大切です。それらを基盤としてはじめて、きびきびとした態度で洗浄作業を実施することができるのです。
今回の撮影現場は、まさにこの『機動力洗浄』が試される場となりました。