カーペット洗浄


しつこい汚れ・シミを確実に除去
ホテルのカーペット

カーペット洗浄|なぜカーペットの清掃が必要なのか?

カーペットの性能
ホテルなどでカーペットがよく使われる理由は、単に高級感を演出したいからというだけではありません。カーペットには、床面に落ちた微細なゴミや汚れを「パイル」(表面にある繊維の束)に吸着させて、目立たなくさせるという特徴があります。
たとえばホテルの廊下では、5歩~10歩ほど歩くうちに、靴裏についた土砂がカーペットへ落ち、客室内に土砂の汚れを持ち込みにくいと言われています。この特性を生かしたものが、除塵マットです。
また、カーペットにはダストポケットと呼ばれる効果があります。パイルが空気中のホコリや微細な花粉などをキャッチし、床面に留めることで舞い上がりにくくさせるのです。この効果により、花粉症などのアレルギー反応を抑えたり、「ホコリっぽい」といった印象を遠ざけることもできるのです。

日常清掃の限界
そんな便利なカーペットの「パイル」にも、容量の限界があります。
カーペットが多量のゴミや汚れを溜め込み続けると、パイルに汚れを蓄える余裕がなくなってしまいます。そうなると、ゴミや汚れはカーペットの表面に蓄積されるようになり、ホコリとして舞い上がってしまうのです。
日常清掃で掃除機掛けを行うことは大切ですが、作業時間の限られる中、カーペット深部まで清掃することは非常に難しく、通常は特別な清掃が必要となります。これがいわゆる「カーペット洗浄」です。

カーペット洗浄の役割
一言で言ってしまうと、カーペット洗浄とは、ゴミや汚れの吸収容量を超えたパイルを生き返らせる作業です。カーペットの深部からゴミや汚れを洗い出し、カーペット内部を“空っぽ”にすることで「パイル」のもつ本来の機能を復活させます。

プロ品質のカーペット洗浄とは何か
カーペット洗浄は単なる「清掃業務」の一部ではなく、建物全体の印象・衛生環境・素材寿命を左右する重要なメンテナンス作業です。しかし実際には、汚れの種類に合わせた適切な洗浄方法が選ばれていないケースや、表面清掃だけで済まされているケースも少なくありません。当社では、素材研究・機材選定・施工データの蓄積にもとづき、建物用途やカーペットの特性に合わせた最適な洗浄設計を行っています。本記事では、カーペット洗浄の専門性を「なぜ必要か」「どう違うか」という視点から掘り下げ、プロ品質の価値をわかりやすくまとめます。

汚れの「構造」を理解することが、最適洗浄の第一歩
カーペット汚れは大きく3層に分かれます。

  1. 表面に付着した乾いた汚れ|砂・ホコリ
  2. 繊維内部に沈着した汚れ|皮脂・飲食物・油分
  3. 侵食により深部に達する汚れ|湿気・カビ・雑菌

一般的なバキュームや簡易清掃では【1】しか除去できず、時間が経つほど【2】【3】が悪化していきます。当社は汚れの深度・範囲・素材ダメージを現地調査で診断し、「どの層までアプローチすべきか」を判断します。この診断の的確さこそ、仕上がりの差につながる重要な専門工程です。

素材別に「適正洗浄」を選ぶ|1つの方法で全ては洗えない
カーペットにはウール、ナイロン、ポリプロピレン、アクリルなど多くの素材があり、吸水性・耐薬品性・繊維の伸縮率がすべて異なります。以下は一例です。

  • ウール素材:アルカリに弱く、温度上昇で縮みやすい。
  • ナイロン:油分を吸着しやすく、再汚染が起こりやすい。
  • タイルカーペット:接着剤の種類によって水分使用量を調整する必要がある。

こうした特性を踏まえ、当社では洗剤濃度・水量・ブラッシング強度・回収速度を素材ごとに調整し、必要以上の負荷をかけずに汚れを確実に除去します。素材知識を基盤とした「処方設計」ができる点が、専門業者としての大きな強みです。

プロが用いる主要洗浄メソッドと、その使い分け
現場では主に以下の4つのプロ洗浄方式を組み合わせ、汚れの深度・素材・建物用途に応じて最適な作業方法を選択します。

  1. ドライメンテナンス|低水分洗浄
    営業施設・ホテル・マンション通路など、乾燥時間を短くしたい環境で採用。再汚染を防ぐ専用パウダーで、内部の微粒子まで掻き出します。
  2. ポリッシャー洗浄|表面再生
    表面的な黒ずみや広範囲のくすみに有効。短時間で全体の明るさが復活するため、定期清掃に最適です。
  3. スチーム・リンス洗浄|高温・高圧回収
    深部に沈着した油汚れ・カビ・臭いに最も効果的。繊維深部まで温水を浸透させ、汚れをリンス(水洗浄)しながら強力回収します。
  4. スポットクリーニング|特殊シミ処理
    ワイン・インク・血液・タンパク質汚れなど、性質に応じて専用薬剤を処方。素材を傷めずにピンポイントで処理します。

これらの手法を「単独で使う」のではなく、」建物用途別の最適バランスで配合する」点がプロの判断力といえます。

カーペットの寿命を延ばす「再汚染防止処理」と施工後のケア
洗浄後は再汚染を防ぐため、必要に応じて防汚コーティングを施します。カーペットは油分を吸着しやすいため、コーティングの有無で数ヶ月後の見た目が大きく変わります。さらに、施工後は建物の利用状況を踏まえて、以下のようなメンテナンス計画・提案を行うことで、カーペットの全体寿命を数年単位で延ばすことが可能です。

  • どの周期で定期洗浄すべきか?
  • どのエリアの劣化が早いか?
  • 交換すべきタイルカーペットの枚数は?
  • どの部分の歩行負荷が高いか?

専門業者による洗浄が選ばれる理由
カーペットはフローリングと違い、汚れが「隠れやすい」床材であるため、表面がきれいに見えても深部が汚れているケースが多く見られます。深部汚れが放置されれば、臭いやアレルゲンの原因となり、ホテル・マンション・オフィスでは利用者の満足度に直結します。当社は施工データや汚れ分布の傾向を蓄積し、建物用途に合わせた診断と洗浄をご提供しています。「見た目を整える」だけではなく、「衛生環境と素材寿命を守る」ことを最優先にした洗浄が、プロ品質の価値です。

今回、都内の某ホテル様よりカーペット洗浄(特別清掃)のご依頼をいただきました。
普段は主に「客室内浴槽クリーニング」を承っているお客さまです。今回は共用廊下のカーペット洗浄をご用命いただきました。

作業事例のご紹介

現地調査:
お客さまによると、日常的に掃除機をかけてはいるが、カーペットの洗浄はしばらく行っていない、とのことでした。
現地調査によって判明したのは、まず、人の往来による汚れが歩行導線に沿って発生している、ということでした。また、シーツやピローケースなどを保管するリネン庫前やエレベーター前は、とくに人の出入りが多いこともあり、土砂汚れ・毛髪・糸くずなどの微細なゴミが蓄積していることも確認できました。
さらに、歩行頻度が多いためか、場所によってはカーペットのパイルが倒れて潰れていました。

カーペットの種類:
清掃対象は「タイルカーペット」と呼ばれるもので、四角いパネル状のカーペットを貼り合わせるタイプです。

清掃前の状態:
まずは、現状の確認です。

  • 踏み固められ、パイルが根元から倒れて潰れていました。
  • ホテルにはカフェや居酒屋が併設されており、靴裏の土砂汚れに加え、油も付着。
    「パイル」に油のような粘着性の高い汚れが付着することで、そこを踏めば踏むほど、他の場所へ汚れを拡散しているのではないかと推察しました。
  • 通路の隅には、日常清掃で除去しきれなかったホコリを確認。
    また、小さなシミが点々としており、美観にも影響を及ぼしていました。

作業要項:
作業条件は、以下の通りです。

  • 10階建ての建物で、作業対象は8フロア。
  • 清掃作業の時間は、チェックアウトからチェックインまでの間。

この時間帯であっても、ベッドメイクやリネンの搬出入など、たくさんのホテルスタッフが往来します。そのため、通行の邪魔にならないようにホースの配置を入念に検討しました。

お客さまと打ち合わせを重ね、作業要項は次のようになりました。

  1. 作業期間は平日4日間。1日4~5時間で2フロアごとに洗浄する。
  2. 洗浄したフロアを乾燥させるため、夜間通して送風機を運転する。(当日の宿泊利用をなるべく控える。)
  3. カーペット洗浄機本体の置き場所は、1階の邪魔にならないスペースとする。
  4. 洗浄機本体から接続されているソリューションホース(吐水)とバキュームホース(吸水)を、非常階段に這わせる。作業中にそれぞれのホースが動かないように、クランプ(大型クリップ)を用意して固定する。
カーペットの洗浄機器

ホットウォーター・エクストラクション方式の採用

カーペットの洗浄機にはさまざまな種類がありますが、今回は「トラックマウント」を使用しました。吸引式高温高圧洗浄機で、水洗浄と強力バキュームを同時に実施でき、周囲が水浸しにならないのが特徴です。
さらに、洗浄力を最大限に高める「ホットウォーター・エクストラクション方式」を採用しました。これはスチーム洗浄と同じような方法です。大型トラックマウントのエンジン出力を活用して、高温水と高水圧ジェットで汚れを落とし、強力なバキューム力で汚れの吸収を可能にするものです。
なお「ホットウォーター」という名前に由来する温水は、常温水での洗浄に比べて高い洗浄力が期待できます。以下、温水で洗浄するメリットをまとめました。

汚れに対するメリット
温水は水に比べて表面張力が低く、繊維の奥まで行き渡りやすい性質をもっています。また、油性汚れを柔らかくして除去する効果もあります。
汚れを除去しやすいということは、余分な水使用を抑えられるということです。水を使いすぎると、カーペットの乾燥に時間がかかったり、後述するようにバクテリアが繁殖しやすくなったりすることがあります。
カーペット品種によっては温水が使用できないものもあるため、お客さまへのヒアリングや事前調査が必須となります。

洗剤効果に対するメリット
温水は、洗剤の界面活性剤や助剤(ビルダー)の働きを高めます。タンパク質の分解に効果のある酵素入り洗剤も、温水の方が洗浄効果が高いことがわかっています。

再汚染リスクの回避
洗浄力を高めることができるということは、単に汚れを除去しやすいというだけではありません。洗剤の使用量も抑えることができるので、次のようなメリットをもたらします。

  • コストを節約できる。
  • 適正な洗剤量で洗浄することで、「すすぎ作業」の効率が上がり、洗剤残りによる「再汚染のリスク」も減らすことができる。

洗剤を洗い流して回収するすすぎ作業が甘いと、カーペット内部に洗剤成分が残ってしまい、残留成分が「粘性汚れ」のもととなります。結果、その上を歩くことで、汚れやシミが拡散されてしまうのです。またカーペット素材へのダメージや変色など、深刻な問題につながる恐れもあります。
洗剤の使用量を増やすと「洗剤残り」のリスクが増えるため、その分、念入りにすすぐ必要があります。そうすると、当然のように多量の水を使うこととなり、乾燥しにくくなります。作業を急ぐあまり乾燥をおろそかにすると、バクテリアの繁殖や活動が進み、臭いの原因にもなります。
このような悪循環が、カーペットを傷める要因になるのです。そうしないための「ホットウォーター・エクストラクション方式」です。

カーペット洗浄

カーペット洗浄の作業工程

今回のカーペット洗浄の手順と効果をご紹介いたします。

  1. バキューミング
  2. カーペット専用洗剤の散布
  3. アジテーション(ブラシ機器による撹拌)
  4. ホットウォーター・エクストラクション
  5. 乾燥
カーペットのバキューミング

1.カーペットのバキューミング

洗浄の前に、アップライトバキュームでバキューミングをします。アップライトバキュームとは、ヘッドにブラシが装着されている、縦置き型のカーペット専用掃除機です。
これにより、カーペットのパイルに絡んだ細かなゴミや土砂などを取り除きます。微細なゴミが残ったまま洗浄すると、洗剤の浸透を阻害するだけでなく、後作業の「アジテーション工程」(ブラシ機器による攪拌:かくはん)の際にパイルがゴミで研磨され、繊維を痛める恐れがあるからです。
歩行頻度の高いエリアは、靴から持ち込まれるゴミや土砂の量も多くなるため、念入りに作業します。縦にかけたあと横にかけるようにして、格子状にバキューミングしていきます。

カーペット洗浄剤

2.カーペット専用洗剤の散布

カーペット洗浄で使用する洗剤は、「前処理剤」と呼ばれます。洗浄工程の前段階に予め散布することで、汚れに反応させやすくするのです。今回使用した前処理剤は2種類でした。どちらもカーペット洗浄によく使われるアルカリ性です。
このうち1つは「酵素配合タイプ」の洗剤です。ホテルの下層階には飲食店があり、油汚れが靴の裏について各フロアに拡散していることが考えられたため、特に汚れの強い箇所に使用しました。酵素の働きにより、油汚れやタンパク質汚れを分解することができます。これは、レストランのカーペットや厨房出入口などにも使用される前処理剤です。

カーペット洗浄機器

3.アジテーション(ブラシ機器による撹拌)

洗剤散布後は、洗剤がパイルの汚れにしっかり馴染んで反応するように、2本のブラシが付いた特殊なブラシ機器で撹拌します。これをアジテーションと呼びます。機器に取り付けた2本ブラシが箸のように並び、お互いが内側に向けて回転することで、パイルをつまみ上げて立たせ、根元まで洗剤を浸透させていきます。
このアジテーションは、ポリッシャー(一般的な床の磨き作業をおこなう清掃機器)で実施することもあります。しかしポリッシャーのブラッシングでは、パイルを横から押し倒してしまうので、パイルが一方向に寝てしまうのです。パイルを立体的に洗浄しようとすると、様々な角度から何度も作業する必要があり、時間がかかります。
作業時間の短縮と均一なアジテーション(攪拌)を可能にするため、烏山ではこのような特殊なブラシ機器を使用しています。

このブラシ機材による起毛効果は、洗剤浸透のためだけではありません。カーペットは吸塵性以外に、ホテルでは重要視される美観や上質感の演出、そして吸音性能も兼ね備えています。カーペットが本来の役割を果たせるようにするためには、アジテーションによってパイルをしっかりと立たせる必要があるのです。

カーペット洗浄機器

4.ホットウォーター・エクストラクション

上記1~3を経て、次にエクストラクションの工程となります。エクストラクトは英語で「extract:取り除く・取り出す」という意味があり、前処理剤と反応した「汚水を残らず取り除く」工程です。噴霧器を取り付けて高温水を噴射する「ソリューションホース」と、汚水を吸い上げる「バキュームホース」を「ウォンド」(カーペットと密着させる掃除機の先のような部品)に装着します。力強く噴出された水圧で汚れを含んだ汚水を吹き飛ばし、同時にバキュームホースが接続された吸水口で、汚水を直ちに回収するのです。

作業のポイント:
エクストラクションでは、ウォンドを一般家庭で使用する掃除機のように前後に動かします。引く動作のときに高温水を噴射しつつ、汚水を回収しています。
作業のポイントは、ウォンドを動かす速さを一定に保つということです。重度の汚れがあるからとゆっくり動かしてしまうと、高温水を噴射し続けるジェットによって水分量が多くなり、その後の吸水が間に合わず、カーペットが水浸しの状態になってしまうのです。
この状態を「オーバーウエット」と呼びますが、カーペット素材・施工状況によっては縮みや浮き、変色などの重大な問題につながることがあります。
動作が速すぎることも問題です。洗剤が回収しきれずに残留すると、その粘性によって靴裏の汚れを吸着するので、せっかく綺麗に洗浄した箇所が作業前と同じような状態にすぐ戻ってしまうのです。
さらに、後日汚れが浮き上がってくる「ウィックバック」と呼ばれる現象も発生しやすくなります。ウィックバックとは、カーペット内部に残った洗剤が、カーペット繊維の毛細管現象によって、吸い取り紙のようにカーペット表面まで吸い上げられてできるシミのことです。
注:ウィックバックは、残留洗剤以外でも発生することがあります。

洗浄したにも関わらず、汚れが落ちていないというようなケースは、こうしたエクストラクションの技術不足が原因であることもよくあります。
なお、カーペットの残留洗剤は、簡単に確認することができます。少量の水をカーペットにつけ、ブラシで擦るだけです。もしも水だけで泡立ってしまったら、そのカーペットには洗剤が残っている可能性が高いということになります。

クリーニング用送風機

5.カーペットの乾燥

最後に実施する乾燥作業は、カーペット洗浄の中で一番大切な工程です。
カーペットが濡れている状態が長引くと、バクテリアの繁殖や活動が進み、臭いの原因になります。カーペット自体とても乾きにくく、完全に乾燥させるには丸1日かかるケースもあります。最初は送風機を使ってカーペットの表面を乾燥させるのですが、「安全に歩行できる・転倒しない」状態にまで戻ったら、その後は自然乾燥させます。

作業のポイント:
乾燥の工程で鍵となるのは、空気中に含まれる水分(いわゆる湿度)です。通常、湿度の高い環境下ではカーペットは乾きません。カーペットから放たれる湿気を滞留させないために、窓やドアを開放して換気します。湿度を下げるために、エアコンなどの空調機を運転させることも効果的です。
烏山ではお客さまに、洗浄後は可能な範囲で、空調機の使用を含めた「換気」=「湿度コントロール」をお願いしています。今回はバクテリアの活動を抑制する酵素を含有した消臭剤も併せて散布しました。

カーペット乾燥作業

カーペット洗浄のビフォー・アフター

今回の洗浄作業の効果は、画像で比較すると明らかです。

カーペット洗浄のビフォーアフター

作業例①
廊下の中央には、歩行導線に沿って黒ずみが発生していました。洗浄した後は黒ずみが消え、カーペットの発色が鮮やかに蘇りました。

カーペット清掃のビフォーアフター

作業例②
こちらは同じフロアの通路ですが、右手にエレベーター扉があり、往来が多いため、カーペットの柄がくすんでいました。人の歩行だけでなく、キャリーケースや台車のタイヤからも汚れは持ち込まれるため、想像以上に汚れる速度は速いのです。洗浄後は状態が改善しました。

カーペットクリーニングのマイクロスコープ撮影

作業例③
烏山では、効果を実感しやすいようにマイクロスコープでも撮影し、作業後の報告書などにも掲載します。これらの画像からも、作業前に比べると、本来の発色を取り戻しているのがおわかりいただけると思います。

プレゼンテーションの様子

カーペットの洗浄は計画的に

今回のようにカーペットの汚れがひどい場合は、水や温水を使用した洗浄方法を選択することが多いです。ただ、なんでもかんでも「ジャブジャブ」と洗うことが正解ではありません。カーペットの素材によっては水分を抑えたクリーニングが必要となるケースもありますので、その判断が重要となります。
また、カーペットを清潔に保ち、ダストポケット効果(ゴミや汚れを取り込む働きのこと)や静音性といったカーペット本来の機能を維持していくには、計画的なクリーニングが必要となります。掃除機による日々のバキューミングはもちろんのこと、今回のような特別洗浄が不可欠です。どちらかの作業だけに偏ったり、作業間隔を空け過ぎたりすると、カーペットの劣化が進んでしまい、本来もっていた性能に戻すことが難しくなってしまいます。
カーペットの洗浄技術は、日々、進化や多様化をし続けています。私たちは常に新しい技術や情報をキャッチしながら、建物の用途、築年数、カーペットの素材、使用状況、摩耗状況、汚れの種類などを踏まえて、お客さまのご要望に沿ったカーペットクリーニングをご提案いたします。
現地調査、計画立案、お見積りは無料で承っています。ご興味がございましたら、ぜひ、弊社へお気軽にお問い合わせください。

カーペットクリーニング計画例

頻度 作業内容
日常的なカーペットのバキューミング
対象:カーペット表面のゴミ
アップライトバキュームを使用した重点的なバキューミング
対象:パイル内部の微細ゴミ
染抜き、症状によっては水の使用を抑えたドライ洗浄
対象:油汚れ等のシミ
年単位 ホットウォーター・エクストラクションなど


再汚染防止策|メンテナンスのご提案

カーペット洗浄は、単に汚れを取り除くだけではなく、その後の再汚染防止や素材寿命の延長まで考慮することが、プロの清掃の基本です。当社では、洗浄後のカーペットの状態を評価し、建物用途・利用者数・汚れの種類に応じた最適なメンテナンス提案を行っています。

定期清掃計画の提案

建物ごとに利用状況や歩行量は異なるため、清掃周期も変わります。適切な周期での清掃は、汚れの蓄積を防ぎ、カーペットの美観と衛生状態を維持します。
※以下はホテルのカーペット洗浄に限らず、一般的な作業事例も含みます。

  • 高頻度利用エリア|ホテルのロビー、共用廊下
    週1〜月1の定期洗浄
  • 一般オフィス・マンション通路
    月1〜隔月の洗浄
  • 低頻度エリア|倉庫・非常階段
    半年に1回の重点チェック

再汚染防止策

カーペットは油分・ほこり・砂などを吸着しやすく、洗浄後でも短期間で汚れが戻ることがあります。当社では以下の方法で再汚染を抑制しています。

  • 防汚コーティング
    洗浄後にカーペット表面をコーティングし、油や水分の浸透を防止。数か月単位で汚れの付着を軽減します。
  • ゾーンごとの通行制御
    高頻度利用部分にマット設置や歩行方向の工夫を提案し、汚れの拡散を抑制します。
  • 汚れのスポットチェック
    カーペットの端・出入口・階段周りなど、汚れが再付着しやすい箇所を重点的に観察し、早期対応します。

素材別のメンテナンスアドバイス

カーペットの素材によって適正なメンテナンスが異なります。これにより、定期洗浄の効果を最大化し、カーペット寿命を数年単位で延ばすことが可能です。

  • ウール素材
    酸性に弱いため、洗浄後の水分除去と換気が重要
  • ナイロン素材
    静電気や油汚れの付着を抑えるため、防汚スプレーの使用を推奨
  • タイルカーペット
    部分交換やローテーションを取り入れ、均一な摩耗を保つ。

日常清掃との連携

定期洗浄と日常の掃除のバランスも重要です。定期清掃だけでは取りきれない汚れも、毎日の掃除で軽減できます。効果的な日常清掃が定期清掃の効果を引き上げ、カーペットの美観・衛生・寿命をトータルで守ることにつながります。とくに、日常清掃ではほこりや微細なゴミを取り除くことがポイントです。カーペットの維持には、こうした日々の取り組みが欠かせません。日常清掃と定期清掃を組み合わせることで、清潔で快適な環境を長く保つことができます。

  • 掃除機掛けの頻度・方向性・吸引力の指導
    定期的な掃除機掛けは、カーペットの美観や寿命を維持するために欠かせません。掃除機の方向や吸引力、掛ける頻度について清掃スタッフに指導します。
    【+アップライトバキュームの活用】
    ゴミやほこりがカーペットの繊維奥に入り込む前に、日常的にアップライトバキュームで取り除くことも効果的です。これにより定期清掃の効果をさらに高めることができます。
  • スポット汚れの早期対応
    飲み物や食べ物のこぼれなど、部分的な汚れは放置すると広がりや変色の原因になります。発生直後に適切な処置を行うことが重要です。
  • 建物利用者への注意喚起
    飲食禁止ゾーンや靴底清掃マットの設置など、日常の利用者様の行動を把握してカーペットを守る環境づくりを行います。これにより汚れや損耗の予防につながります。

株式会社 烏山

所在地
東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 日比谷国際ビル511

連絡先
03-6205-4850

株式会社 烏山は、創業60年。
烏山がお客様に提供できること、それは「確かな知識と技術、効果のある提案」です。
商業施設の清掃を不動産業の立場から徹底的に見直しました。自社物件を数多く所有し、賃貸ビルや商業ビルのビルメンテナンスを手掛けています。
その経験を活かし、オーナー様が抱く問題や要望を独自の管理目線でお応えします。
当社は、電話での「概算見積」から、現地調査後の「詳細見積」まで、無料にてご対応させていただきます。お客様のご連絡を、社員一同、心よりお待ち申し上げております。

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